コンコルディアの特徴のひとつは、ライフワークと掲げる作曲家の作品を継続して演奏している事です。
邦人作品では特に「大栗裕」「帰山栄治」「熊谷賢一」の三氏が挙げられます。
第46回定期演奏会のシンフォニエッタ第1番で、大栗裕シンフォニエッタチクルスの全曲を完走しました。
個人的なお気に入りは第1番の、静かに過去を追想するような第2楽章。シンフォニエッタシリーズ全曲を通して、大栗の第2楽章は大変に美しいです。
熊谷先生の「うたごころ」溢れる音楽と、先生自身の特別な気持ちが込められた「群炎」シリーズ。熊谷先生の作品は近年演奏される機会が増えてきているそうで、大変嬉しく思います。筆者が学生の頃はほとんど演奏されていなかったので、あの頃出会いたかったと思うのと同時に、今の学生さんにもぜひ弾いて欲しいなあと思います。
飲み会の席で「来年のカエリヤマは?」「わたしのファーストカエリヤマは」という会話が団内で当たり前のように交わされます。本当です。よく漢字が読めないって言われますが「カエリヤマ」です。そんなわたしたちですが、念願叶って委嘱初演を果たしました!当日は帰山先生にもご来場いただきました。
イタリアのマンドリンオリジナルや編曲作品も団内にファンが多数。特に演奏したいとの声があがるのは、「U.ボッタッキアリ」と「G.デ.ミケーリ」ではないでしょうか。コンコルディアの定期演奏会のパンフレットは毎回団員によるオリジナルデザインなのですが、両巨匠の情感豊かな作品は表紙の題材としても大好評です。
斯界のオーソリティでもある石村隆行先生の客演を定期的に予定しています。2021年は他団体ではなかなか出来ないソプラノ独唱を交えたU.ボッタッキアリやG.デ.ミケーリの歌劇からのアリア等を取り上げました。次回もみんな大好き○○の日本初演など意欲的な取組を検討中です。
G.デ.ミケーリの作品は、どれもその音楽の描く風景に惹き込まれるような音色に溢れていますが、特に組曲「田園にて」の第3楽章の「栗が落ちて転がる音」は秀逸。この曲は管弦楽からマンドリンオーケストラに編曲された作品ですが、もともとクラリネットだったこの音をギターに置いた編曲は、何度聴いても天才だと思うのです。
コンコルディアの音楽はマンドリンのみにあらず。マンドリン以外の楽器との共演もとても楽しい演奏でした。
例えば、ロシアの民族楽器オーケストラ作品をバヤン(アコーディオンみたいな楽器)やグースリ(ハープを横にしたような撥弦楽器)といったロシアの楽器と一緒に。ロシアの楽器、初めて間近で見ました。ロシア語もちょっぴり勉強しました。Спасибо!
B.アレクサンドロフの「コンチェルトファンタジー」では、ロシアの楽器とピアノ独奏も加わった大編成で煌びやかな演奏になりました。
以上、コンコルディアの演奏をダイジェストでご紹介しました。
他にも多数の動画を公開していますので、ぜひ聴いてみてくださいね!
そして最後にご紹介するのは、やっぱり大好きカエリヤマのスペシャリテ。中島麻さんのヴァイオリン独奏との共演「協奏詩曲」。これぞコンコルディアの好きの極みです。